補助金・助成金・給付金の特徴と違いについて

〇〇金ってどんなもの?

補助金・助成金・給付金の特徴と違いについて

公的な支援制度として補助金や助成金、給付金とさまざまな名称のものがあり、これらはすべていっしょくたに「漠然と何かもらえるもの」とイメージされていらっしゃる方が多いかとおもいます。

新型コロナのパンデミックにより、2020年頃から急に耳にすることが増えた『◯◯金』

この『◯◯金』を一言で表すと、
国や地方自治体などの公的機関から支給されるもので、原則として返済の必要がないもの(不正受給の場合は別です)をさします。

これらの『◯◯金』は、「申請」という手続き(意思表示)が必要で、何もアクションをおこさずに自動的にもらえるものではありません。

また、色々名称の違いのとおり、一つ一つの『◯◯金』には明確な目的があり、それに応じて求められる条件(要件)が異なってきますので、次の節から大きく3つに分けて説明いたします。

  • 補助金
  • 助成金
  • 給付金

補助金の特徴とメリット・デメリット

「補助金」は、明確な目的のもとにあらかじめ予算が定まっており、事業活動の資金調達手段の1つとしての活用が可能なものとなります。

その特徴は、①支給を受けるためには事前の「審査」が必要、②補助金の使用使途が限定されている、③受給後に一定の報告義務がある、といった点が挙げられます。

この補助金のメリットとしては、次のような点があります。
・補助をうけられる金額が比較的大きい
・国、地方自治体を合わせると様々な補助金が存在する
・出資、融資とは異なる「第3の資金調達手法」になり得る

一方、デメリットとしては、次のような点があげられます。
・審査として「事業計画書」の作成の難易度が非常に高い採択・不採択はココにかかってます!!)
資金の使用使途が限定され、「後払い」が原則(資金準備が必要)
・申請のスケジュールが割とタイト
・受給後の報告義務が煩雑でとても面倒

これらのメリット・デメリットから、補助金は自身で行うよりも、プロ(行政書士・中小企業診断士等)に依頼することをおすすめします。

2023年4月現在、補助金として有名なものとして、
1)事業再構築補助金
2)ものづくり補助金
3)IT導入補助金
4)小規模事業者持続化補助金
5)事業承継補助金
など、が挙げられます。

助成金の特徴とメリット・デメリット

「助成金」は、一定の要件を満たせば支給を受けられるもので、大きく経済産業省系のもの(研究開発系)厚生労働省系のもの(雇用関係)に分けられます。
※ 経産省系の助成金は、倍率が高く補助金に近い性質があります。

その特徴は、①予算枠が厳格に決まっていないので「審査」がない(要件を満たすことが必要)、②通年実施していることが多く、スケジュールの縛りがあまり厳しくない、③従業員を雇用している企業の強い味方、といった点があげられます。

この助成金のメリットとしては、次のような点があります。
・支給をうけるための審査がない(一定の要件を満たす必要はあります)
・通年を通して実施している(年の途中で制度が終わることもあります)
従業員を雇用している企業は支給を受けられる助成金の幅が広い
 ※ 労働保険に加入している必要があります。

一方、デメリットとしては、次のような点があげられます。
要件を満たさない場合、不支給となることがある
・基本的に「後払い」が原則
比較的少額なものが多い

助成金の支給を受けるための要件を満たすためには、賃金台帳や一定の計画書などの様々な資料を複数揃える必要があるので、こちらはプロ(社会保険労務士等)に依頼するのが懸命です

弊所は助成金に強い社会保険労務士とパートナー提携を行っておりますので、
受給をご検討中の方は一度ご相談ください。→お問い合わせはコチラから

2023年現在、助成金として有名なのものとして、
1)雇用調整助成金
2)トライアル雇用助成金
3)キャリアアップ助成金
4)両立支援等助成金
5)人材開発支援助成金
など、が挙げられます。

給付金の特徴とメリット・デメリット

「給付金」は、一定の要件を満たせば支給を受けられるもので、その名称も支援金や慰労金、一時金など様々な種類があります。

その特徴として、①給付の目的に応じて色々な種類が存在する、②要件を満たせば、一定期間後に支給を受けられる(随時払い)、③受給要件が比較的緩やか、といった点があげられます。

給付金は、給付目的に応じて広く支給を予定しているという特性があるため、基本的にデメリットはな、受給者にとってはメリットばかりのものが多いです。

近年その名前が広く知られるようになったきっかけの給付金として、
1)持続化給付金・家賃支援給付金(経済産業省)
2)月次支援金・一時支援金(経済産業省)
3)事業復活支援金(経済産業省)
など、が挙げられます。

事業復活支援金の事前確認については、こちらをご確認ください。

まとめ

最後に、補助金・助成金・給付金の特徴や違いを表にまとめました。

補助金助成金給付金
返済の有無×××
審査の有無(事業計画書の作成)原則 ××
受給の時期後払い随時払い(後払い)随時払い
規模感大きい比較的小さい小規模
報告義務の有無原則 ××
◯ … 有り・必要、× … 無し・不要

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